Twitter「荒らし」対策の考察

SNSなどのインターネットサービスにおいて、誹謗中傷のような迷惑行為を行うことを「荒らし」といいます。「荒らし」が被害者に与える影響は小さくなく、場合によっては精神を病んでSNSの利用自体を辞めてしまったり、企業の場合は「荒らし」による炎上で活動を停止せざるを得ない状況に陥ったりしているようです。


「荒らし」はSNSが普及する前から存在しており、これまでの経験則から、「荒らし」は無視するのが一番であるといわれています。一部では、「荒らし」を無視しても効果は無いという意見もあります[1]が、一時的にでも「荒らし」から逃避するという意味では、「荒らし」を徹底的に無視するのはそれなりに有効だと思われます


たいていのSNSでは、「荒らし」コメントを排斥するための機能を有しています。その中でも、本記事ではTwitterにおいて「荒らし」を無視するための機能について紹介し、それらの有効性の考察を行います


「荒らし」アカウントを排除する


Twitterには特定のアカウントをブロックする機能があります。ブロックされたアカウントのツイートは表示されなくなるため、即時的に「荒らし」ツイートを消したいときに有効な方法です。

ただし、ブロックしたことは相手に伝わってしまうため、すぐに別アカウントを作られてしまうと効果がありません。もし相手に通知を与えたくない場合は、ミュート機能を使う方が良いかもしれません。こちらも同様に「荒らし」ツイートが消えますし、相手にミュート通知が届かないので別アカウント作成のタイミングを遅らせることができます。


ブロックとミュートのデメリットとしては、「荒らし」が大勢の場合は一人ひとりへの対応が面倒であることです。ブロックはアカウントごとにしかできないので、「荒らし」ツイートを見つけ次第ブロックするという運用方法しかとれないと思われます。


「荒らし」ユーザーを永久追放する


Twitterには、特定のアカウントを通報する機能もあります。この方法のメリットとしては、Twitter社に「荒らし」の事実を通知させることができるということです。ユーザーのIP情報などは全てTwitter社が把握しているはずなので、上手くいけば複数アカウントの作成禁止や組織的な「荒らし」の撲滅までたどり着けるかもしれません。


一方で、デメリットとしてはTwitter社に通報が認知されるまで時間がかかるかもしれないというところです。最悪の場合、通知が届かず無視されてしまうこともありそうです。通知の実態については外側からは分からないので、上記のブロック機能と併用してあとは祈るしかないのが現状かと思われます。


「荒らし」アカウントを近寄らせない


Twitterでは、自分のアカウントにをかけることができます。鍵付きのアカウントには許可されたアカウントしかフォローできなくなります。「荒らし」を行うにはまずフォロー許可を得なければならないため、「荒らし」側の負担が重くなります。

ブロック機能のように全ての「荒らし」アカウントをリストアップする必要がないため、「荒らし」アカウント撲滅までの作業が楽になるのがメリットであると言えます。


ただし、アカウントに鍵をかけるとフォロワー以外の人に自分のツイートを見せることができなくなるので、フォロワー数の伸びが 大幅に下がる恐れがあります

これは企業アカウントなどでは致命的になりかねないので、鍵をかける代わりにリプライ制限を設けるのも一つの手だと思います。これならツイート自体は非フォロワーでも見れるため、鍵をかける前と同じように運用することができます。


デメリットとしては、ツイートごとにリプライ許可対象を指定しなければならないため、面倒であることです。ツイート数が多いアカウントでは利用は厳しいでしょう。また、これらの方法はハッシュタグを使った「荒らし」には無力なので、よくエゴサをする人にとってはあまり意味がない方法かもしれません。


まとめ


Twitterには様々な「荒らし」対策機能がありますが、どの方法も一長一短なので、自分の運用方法に合った機能を試していくのが良いかと思います。

個人的には、「荒らし」を見つけ次第ミュートしていくのが自分に一番合っているかと思っています。


以上です。


番外編


複数アカウント作成機能は無くならない?

もし複数のアカウントが作成できないようにTwitterの仕様が変われば、ブロック機能の有効性はより高まるでしょう。しかし、複数アカウント作成はTwitter社にとって必須の機能なので、今後も無くなることはないと考えています。

例えば、自分のアカウントが突然凍結されたらどうでしょうか。まずはTwitter社に凍結の理由を確認することになると思いますが、回答が来るまで暫定的に別アカウントを作成することになるでしょう。もし、別アカウントの作成が禁止されていたら、この空白期間にTwitter離れが頻発するかもしれません。それを防ぐためにも、複数アカウント作成機能は今後も残り続けるでしょう。


「荒らし」アカウントのリストを作る

本記事の「荒らし」対策は、基本的には自衛のための方法のみを取り上げました。ですが、これらの方法では自分のフォロワーを守ることができません。

「荒らし」アカウントのリストを公開すれば、どのアカウントをブロックするべきか等の情報を仲間内で共有できます。ただ、このリストは「荒らし」ユーザーにも伝わるため、相手の反感も買う諸刃の剣になるかもしれないので、慎重に運用することをお薦めします。


誹謗中傷撃退AIができる?

誹謗中傷ツイートを認識してくれるAIが作れるようです。マシュマロのように「荒らし」ツイートを自動的に除外してくれる機能があれば、Twitterもより使いやすくなるかもしれません。